連発される摩訶不思議な記事群

中央日報 北、中国からハッカー攻撃…韓国政府資料１３万件が流出
朝鮮日報 【ルポ】ハッカーと戦う国情院「サイバーセンター」

韓国のインターネット、何かあったのか？　不思議な記事だ。それともインターネット規制法案成立のダミー情報なのか。わかりやすいのは、中央日報の記事の方だ。いかにも大げさな見出しだが、実態は「各政府機関でおよそ 13 万件の資料流出があった」とし「機密は含まれておらず、外交、安保の分野に集中したものでもない」ということらしい。これで韓国が日本ほど情報公開が進んでいないことがわかる。「機密」でなければ、日本の場合、政府関連情報は、各省庁のサイトで公開している。「ハッカー攻撃」なんて大げさなものではない。韓国の官庁サイトに行けば理解できるが、韓国を理解できるデータの類は掲載されていない。あまりにも「恥さらしな」データしかないから公開できないのだろう。中央日報の記者、情報戦という意味が皆目わかっていないようだ。スパイもどきが「極秘」資料を盗むのという活劇まがいを情報戦と思っているのだろう。現在の情報戦は、公開された資料を分析し、それを積み上げていくのが主流だ。社会の現状を分析していく頭脳のぶつかり合いが情報戦だ。何のために、軍事衛星があると思っているのだ。ミサイル攻撃のみに備えているわけではない。もっと不可解なのが、朝鮮日報のルポ記事だ。この程度のルポ、朝鮮日報記者姜訓、リュ・ジョン連名で執筆するほどのものか。なぜ、不可解かといえば、文章を読む限り「公共機関ネットワーク」をハッキングではなく、クラッキングしている記事だからだ。そして中国、北朝鮮からネットワーク侵入があると記している。これ、嘘記事、捏造記事の類ではないか。もし、本物の記事なら、韓国のネットワーク構築者、及びそれ敷設に賛成した人間、馬鹿だ。理由を以下に記そう。公共機関ネットワークに海外から侵入できる方法は一種類しかない。民生用インターネットと公共機関ネットワークが繋がっている場合に限る。この状態は論外だ。民生用インターネットと公共機関ネットワークを同じ回線に乗せること自体無謀だ。公共機関ネットワークのメインフレームまで、完璧に汚染されている。国情院「サイバーセンター」が行うことは唯ひとつ、回線切断だ。これしか方法はない。民生用インターネットと公共機関ネットワークとのジョイント部分の除去だ。次に考えられるのは、民生用インターネットと公共機関ネットワークが繋がっていない場合だ。この場合、海外からのクラッキングが可能か。不可能だ。すなわち、韓国公共機関ネットワークが海外に回線を延ばす必要がないからだ。各国にある駐在大使館との連絡は、必ず暗号化された専用回線を使用している。インターネットなどのように不特定多数がアクセスできるような回線ではない。公共機関ネットワークに、第三者が侵入した場合、そいつは国内の人間だ。公共機関ネットワークへのログイン方法を知っている国内の人間ということだ。ルポ中の、怪しげな人間が回線上に出没したと記述した部分を詳細に読んで欲しい。韓国が民生用ネットワークと公共機関ネットワークを、どのように取り扱っているかは不明だ。国情院「サイバーセンター」見学コースは、本物ではない。偽者だ。まるで戦争映画の一場面だ。コンピューターでの情報戦は、そんな派手なものではない。なぜ、私が、それを断言できるか。私は職場でのネットワーク構築管理を指揮指導していたからだ。職場のネットワーク管理程度のものを、わざわざ、国情院「サイバーセンター」でやるわけがない。そして、サイバーセンターの各人のコンピューターモニターが、100インチ以上を使っている場合を除いて、記者に画面が見えるわけもない。ゆえに、この二つの記事は不思議な記事だと冒頭に記した。情報戦を戦っている連中が、手の内を、おしゃべりなマスメディアに晒すわけがない。私が指揮指導したちっぽけなネットワークですら、手の内を晒さない。晒したとたん、ネットワークへのクラッキングが始まるからだ。チャイナ、コリアのクラッキングは、いまに始まったことではない。日本でネットワークサーバー管理をしていればすぐ理解できることだ。私が、チャイナ、コリアに嫌悪感を持ったのは、他でもない、職場のネットワーク構築管理を指揮指導した以降のことだ。
両方とも、韓服姿では、好きなポーズだ。コッシン（沓）がチラリとみえる風情も良いものだ。

<追記>
公共機関や企業のデータを一番簡単に持ち出す方法がある。個人所持のパソコンを職場に持ち込みデータをコピーする。メールを使う。ユーザーが与えられたディレクトリーに転送する。いくらでも方法はある。いくらでも誤魔化す方法はある。職場の現場で、高価な合金を弁当箱に入れてちょろまかすより簡単だ。結局は、各人の倫理観、良心が問題だ。

<追記 2>　- 2008/10/16
日本語訳が悪いのか、記事原文に混乱があるのか、これらの新聞記事、どうも合点がいかない。いくら韓国といえども、不特定多数がアクセスするインターネットと業務を主とする公共機関ネットワークを一緒にするわけがない。記事は、インターネットに接続している公共機関の国民、住民向け、広報、サービス用サーバーと、それとは別の業務関連ネットワーク用サーバーを区別していないのではないか。もしそうであれば、問題解決はたやすい。住民サービス用サーバーに掲載する情報を吟味すれば済むからだ。私企業のネットワークでは、海外拠点にまで、不特定多数が利用できない専用独自回線を引いているのが普通だ。公共機関ネットワークで、それがなされていない事の方が問題だ。