鎖国の国にビラは有効

朝鮮日報 【コラム】北朝鮮、ビラの真実

朝鮮日報記者姜哲煥の論点は、ひとつであるにも関らず、種々の言葉を使うことで、問題を曖昧にしている。中でも北朝鮮を「社会主義国」と前提している部分の論調が目に付く。「当初のマルクス主義における社会主義・共産主義思想における社会は、どの段階においても民主を前提に構成され、特定の権力が民衆に圧力を与えない平等で安定した社会を目指すことが前提だった。」ということを知れば、現ロシア経由の社会主義が、いかに歪曲された社会主義か理解できるだろう。特に北朝鮮独自の「主体思想」を公式政治思想としている現状において、北朝鮮を社会主義国という観点から論じることは出来ない。一党独裁体制ともいえない。現在の北朝鮮政体を中華文明圏の「王朝」、鎖国した「金王朝」と云う論者も多々いる。その観点から、北朝鮮を見る方が、現実の北朝鮮の在り方が理解される場合が多い。姜哲煥には、この鎖国した「金王朝」という視点がない。そして北朝鮮の、富の一極集中、「先軍政治」と自称する国民無視の国家予算配分に触れれば、もっと明快なコラムになっていただろう。惜しまれる。
いつも思うことだが、北朝鮮関係の写真は、同じようなものしかない。情報の少なさは北朝鮮の国情を反映しているのだろう。それにしても、この北朝鮮レストラン、手前は空席だ。外貨稼ぎの尖兵になっているのだろうか（笑）。

<参照>
社会主義
主体思想
王朝
「先軍政治」とは？